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なぜモーツァルトの音楽は過食を防ぎ、ダイエット体質に導くのか | ||
ダイエットを促すためには、食物から摂取するエネルギーを減らし、消費するエネルギーを増やすことがもっとも重要です。反対に、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、使用されないエネルギーは体脂肪として蓄積され、肥満につながります。 理屈ではわかっていても、ダイエットは難しいものです。なぜなら、太ったりやせたりすることは、エネルギーの差し引きだけではなく、精神的なストレスなど複雑な心の要因が関与しているためです。ダイエットをうまく成功させるためには、エネルギーの摂取と消費を考慮することに加えて、心のケアも必要になってきます。通常、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る原因として、食べ過ぎやヤケ食いなどの過食、早食いや夜食などの不規則な食生活、そして運動不足があげられます。 一方、人間は満腹になっても、甘いものは別腹といってデザートを食べます。これは人が"必要以上の食欲"に依存しているから起こることなのです。生理学的に食欲は、脳の視床下部という部位にある摂食中枢と満腹中枢によって調節されていて、この2つの中枢のバランスがとれていれば、必要以上の食欲は起こらないようにできています。しかし、その働きを狂わせてしまうのが、精神的ストレスなのです。さまざまなストレスの解消法の中でも、食べることは容易に実行しやすいので、過食という事態を招いてしまいます。 満腹中枢は、血液中の血糖やホルモンを感知しながら、満腹を判断しています。食後は、それまでおよそ0,1%に維持されていた血糖値が徐々に上昇していきます。それが一定のレベルに達すると、満腹中枢が刺激を受けて、食欲が抑えられるのです。このように、食欲は血糖値によってうまくコントロールされているのです。ところが、日常生活の中に、人間関係のトラブル、挫折感、恐れ、悲しみなどのストレスがあると、摂食中枢と満腹中枢の働きに異常が生じてきます。特に、摂食中枢はストレスの影響を受けやすいので、拒食や過食などの極端な現象が起きるのです。 したがって、根本的に過食を防いだり、ダイエットをはかるためには、不快なストレスを除くことはもとより、脳の視床下部にある摂食中枢と満腹中枢のバランスを回復させることが重要になってきます。また、消化機能を正常にすることも大切です。 人間には意志とは無関係に身体の機能を調節する自律神経がありますが、これは身体の活動を高める交感神経と、身体を休息に導く副交感神経から成り立っています。現代社会のストレスの多くは、交感神経を優位に刺激するので、消化機能を促す副交感神経が抑えられがちです。この結果、消化液の分泌が抑制されるために、摂取した食物の分解が遅れるのです。一方、ストレスが増加すると、コルチゾールというストレスホルモンやアドレナリンが増加するために、脂肪が蓄積され肥満の原因になります。 モーツァルトの音楽には、こうした交感神経にブレーキをかけることができる特性があります。高周波音とゆらぎに富むモーツァルトの音楽を聴くことにより、唾液や血液の中のコルチゾールが減少したり、唾液や消化酵素の分泌量が増えることがさまざまな研究によりわかっています。モーツァルトの力を借りると、ストレスホルモンによる脂肪の蓄積を防ぐことができるばかりでなく、消化酵素も早く分泌され、お米などの炭水化物はより早く分解されてブドウ糖になり血中に吸収されていきます。つまり、血糖値が早く上昇する結果、脳の満腹中枢に作用して摂食が抑えられるのです。モーツァルトの音楽は、自律神経の働きを整え、血液やリンパの流れを改善するとともに、消化液の分泌や消化管運動を正常化させ、新陳代謝も向上して、体内の熱生産が高まり脂肪が燃焼しやすくする効果があるのです。過食を防ぎダイエット体質を導くのが、モーツァルトの音楽療法なのです。 主な参考文献 ドン・キャンベル・日野原重明監修:『モーツアルトで癒す』(日本文芸社) 森谷敏夫監修:『自律神経を鍛えればあなたも必ずやせられる』(講談社) 岡部正著:『体脂肪』(主婦の友社) 永田孝行著:『代謝アップダイエット』(永岡書店) ドン・キャンベル・和合治久共著『アマデウスの魔法の音』(アーティストハウス) 和合治久著:『アマデウスの魔音の癒し ダイエット』(マキノ出版) |
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